JRの経営自立を図っていくためには、国鉄改革の趣旨やこれまで国が累次にわたり支援してきた経緯を踏まえ、引き続き、国が中心的な役割を担っていくことが不可欠である一方、JRの危機的な経営状況を踏まえると、JRの徹底した経営努力と国からの実効ある支援に加え、地域においても可能な限りの協力・支援が必要です。
こうした認識のもと、道及び沿線自治体等では、令和元年度及び2年度において緊急的かつ臨時的な地域独自の支援を行うとともに、道が中心となって官民連携による北海道鉄道活性化協議会を立ち上げ、全道的な鉄道の利用促進の取組を展開しています。また、鉄道を持続的に維持するため、JRが線区ごとに策定しているアクションプランに基づき、JRが地域関係者と一体となって利用促進やコスト削減に取り組んでいます。
令和3年4月にはJR北海道等に対する支援の継続・拡充に向けた関連改正法が施行され、国は助成金の交付等の支援期限を令和12年度まで延長することとした上で、JRに対し、国の監督命令に基づく第2期集中改革期間に当たる令和3年度から令和5年度までの3年間に、総額1,302億円の支援を実施する予定です。
さらに、地域においても引き続き、アクションプランに基づく取組を進めるとともに、道が国と協調して、観光列車としても活用可能な鉄道車両の導入を支援し、その車両を活用して沿線地域の魅力発信や鉄道の利用拡大に向けた取組を進めることとしています。こうした様々な鉄道の利用促進策等に地域が連携して取り組むことで、鉄道需要の喚起を図り、持続的な鉄道網の確立を目指しています。